パンニュース記事より(2004年4月25日)


カンボジアの子供たちにパン作りを教え、プロとして自立できるまで支えようと、横浜のリテイルベーカリー・本牧館の青木茂氏と櫛澤電機製作所の澤畠光弘氏が発起人となって「カンボジア・パンプロジェクト」がスタート、業界関係者の協力参加を要請している。

カンボジアの子供たちは義務教育の小学校で単ぶこともままならない。かつ成人しても技術を持たないため働く機会も得られない、という状況にある。

「カンボジア・パンプロジェクト」は同じアジアに住む隣人として、おいしいパン作りを母体に、生きることの楽しさを共有する場としての職業訓練校"パン尊門学校"の建設を計画した。

将来は職業訓練校に入るとしても、そのずっと以前に小学校でまず教育を受けるための学校の設備(教材、通学バスなど)が必要である。そのための資金として1ロ1万円の寄付を募り、今年12月までに300万円を集めたい、と希望している。

また、今回、教育と開発なめざす女子国際ボランティアの「VIDHS(ビーデス)」の活動のひとつとして、カンボジアでパン作りおよび石窯作りをすることになった。

青木氏、澤畠氏は、以前にカンボジアの若い女性を招いて2週間パン作りを教えた石窯名人、故猪原義英氏(山梨県長坂のバックハウスーNNO)の遺志を引き継ぎ、少しずつできることから始めたい、と考えている。

資金協力のほかに1〜2週間程度カンボジアにパン技術指導に行ける人材(できれば3〜4年継続して)を募っている。

協力、参加申し込み先は…櫛澤電機製作所(横浜市神奈川区入江1-32-6、TEL(045)431-1978、担当:長嶌美樹)、資金振込先は横浜信用金庫大口支店 普通口座 口座番号 389381カンボジア・パンプロジェクト澤畠光弘(サワハタミツヒロ)。

力ンボジアのパン事情
インドシナ半島南東に位置するカンボジアは、1863年フランスの保護領になり、1953年独立、1978年以来、ポル・ポト派による革命により混乱していたが、1993年、国民の粘り強い努力によりカンボジア王国が設立され今、復興への道を歩んでいる。

パンはフランス占領下にあった影饗から、フランスパン(バゲットー本約卸価10円)を売る屋台がたくさんあり、その方がべーカリーより人気があるくらい。 たとえば、プノンペンで一番の「アジア・ヨーロッパ・べーカリー」が出店したデパート内のインストアベーカリーは、街中の屋台のパン屋に押されてすぐ閉じてしまった。

パンの需要は高いので、将来職業訓練校“パン専門学校”で製パン技術を身につけた若者たちが、将来店を開くのも夢ではない。

プロジェクトの進行予定
▽この6月にカンボジア・パンプロジェクトをスタート。まず小学校設備費用募金を始める。
さらに2週閲程度パン、菓子製造技術ボランテイアを派遣。基礎教育、衛生管理教育を行う。(小麦粉ととろ箏のパン作りなど)、JACANセンター落成式に参列(6月25日−7月1日、カンボジア)、参列後パン、菓了指導者は7月5日まで滞在。

▽2005年6月、第2回パン、菓子製造技術ボランテイア派遣、2週間程度。
プンチコレ小学校の中でナンを焼くために、水の壷を改造して、タンドールを屋台でよく売れるフランスパン製作する。(500〜600度Cの温度の窯)。完成は来年5月の予定。

▽2006年6月、第3回パン、菓子製造技術ボランティア派遣、2週間程度。パンの販売先開拓の常業活動も行う。

▽2007年6月、職業訓練校、パン専門学校開校予定。第3回、パン、菓子製造技術ボランテイア派遣。2週間程度。