B&C 2004.1-2より

私はこう見る
(パン屋さんよろず相談室相談員)澤畠光弘氏

神奈川県横浜市で「パン屋さんよろず相談室」を開いている澤畠光弘氏への相談には、消費税法の改正に伴うべーカリーからの問い合わせは現在のところない。義務付けられるのが内税化ではなく消費税を含めた総額表示ということもあり、4月1日から実施される改正に伴う作業はプライスカードの書き直し程度に考えているのが現状だという。

消費者の意識も消費税が3%から5%に変更された時とは違って、総額表示に変わるということで関心も希薄な印象がある。またべーカリーも、消費低迷によるパンの購買減少と考える人は少ない。昨年の選挙結果に現れたように、こうした緊迫感のない「いろいろあるけどどうにかなるさ」的な考え方が日本社会に蔓延する限り、日本の構造改革は行なわれないと思う。

消費税法の改正に関心を高めることも大切であるが、私たちが支払っている税金の使い道に目を光らせることが重要だ。社会の一員として果たさなければならない義務と責任があると同時に、権利も主張するべきである。昨年、ハンディを持つ人の自立支援と社会参加を目的に、「ユニバーサルベーキングカップ」を企画・実施した。2002年のユーロパン会場で開催された、パンのワールドカップ日本優勝のように、ハンディのあるパン職人たちにもチャレンジャーとして世界に羽ばたいて欲しいと願っている。同じ人間として生まれながら、ハンディを持っているということで差別されている彼らを応援したい。

また消費税法改正で、消費者のパン食離れを恐れるより、自分たちの製品が生産者の顔の見える安心、安全素材で作ること。それによって消費者からの信頼を得ることの大切さを改めて考えて欲しい。そして地球環境問題も含め、パン屋さん自身が積極的に社会運動に参加していく時代になることを望んでいる。

そして目線を少し上げて、次世代を担う子供たちに夢を語れる大人が増えて欲しい。ヨーロッパのパン屋さんが店先の窯前で学校帰りの子供たちと会話を楽しむように、地域の子供たちに声をかけ社会の一員として育てる気持ちを持てば青少年の犯罪も少しは減ると思う。住みやすい社会を作るために、パン屋さんも身近なことからはじめよう。

「子供たちに夢を与える大人が増えてほしい」と語る澤畠氏。


会社の入口になる人形がかわいい。


資料として集められた印刷物

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