○パン窯 開港当時、居留地の外国人の使っていた窯は、一川芳員の「アメリカ人ぱんを焼く図」 (文久元年) や「西洋万物図」にある「パンを焼く図」(万延元年)に描かれている窯のように、 直接、窯内で薪を燃やして窯を沸かし、灰をかき出してからパンを焼くというものであった。 しかし、パンの需要の増加とともに、パン窯は、こうした初期のものから次第に効率の良い 「焚き込み式」と呼ばれる「窯」と「焚き口」のわかれたものへと変わっていった。 昭和に入る頃になると、主にコークスを燃料とした「ドイツ窯」と呼ばれる窯が、小さな パン屋や菓子パン屋の間で使われるようになった。石窯・ドイツ窯は、戦後直後までパン屋で 一般的に使われていたが、昭和25年頃からガス窯・電気窯が使われるようになり、石窯・ ドイツ窯は次第にその姿を消していった。
「西洋万物図・パンを焼く図」・・・(万延元年)左の窯は、パンを焼くために薪を焚いて窯を暖めている。持っている棒は火かき棒。
現在使われている石窯(静岡県沼津市)