シチリア島・パレルモとローマ
イタリアのパン・食材・文化研修旅行

<2001年4月11日〜20日*10日間>
第4日目
4月14日(土)
パレルモ
この日は、パレルモ市内ではNo.1と呼ばれている、パレルモパン協会の前会長、Mr. Mario SPINNTO氏の経営するパネッテリア・SPINNATOにて、シチリアパンの 研修と、日本のパン作り指導を行った。朝08:30から、SPINNATOの工房にて日本のパン作りの仕込みにかかる。日ごろ10:00頃店に顔を出すMr.SPINNATOもこの 日は同じ時刻に来て、慣れない作業場での材料や器具の準備を手伝ってくださった。
生地の仕込みを始めると、SPINNATOで働く職人が集まりだし、作業工程や、材料として日本から持ち込んだあん種などに興味を持っていた。
   <日本のパン>
   あんパン
   さくらあんのあんパン
   メロンパン
   クリームパン
   飾りパン



SPINNATO店頭

SPINNATO店内の
おいしいDolce

「KABUTO」が飾られているショーケース

左2人目Mr.SPINNATO氏と
特に職人の中でもMr.NAPOLIが我々のグループの担当として協力してくださり、また彼が一番日本のパンに興味を示していた。イタリア人にとっては豆に砂糖を加えて作ったフィリング—あん—が大変珍い様子で、好まれるかどうか不安であったが、意外にもあんよりもさくらあんの方がBuono!(おいしい!)という答えが返ってきたのには驚いた。途中、パレルモ商工会議所長の訪問や、パレルモのテレビ局、TRM(Tele Radio del Mediterraneo)の取材、また商工会議所の広報部の取材が入り、さほど広く無い作業場が人でいっぱいになった。取材のため、あと20分ほどとらなければならなかった発酵時間が取れなくなり、急遽フィリングをつめる作業へと移ることになった。商工会議所長は、「こうしてパレルモに日本のパン関連の方、職人が来て、パンを通してシチリア・パレルモについて知ってもらうことは非常にうれしいこと。また日本のパンを見るのは初めてのことなので大変興味深い。パレルモの人々も日本に関して知らない部分が多いので、パンを通してお互いを知ることの出来ればすばらしい。これからもこのような機会があることを望みます。」というコメントと共に、通訳へ様々な質問を投げかけていた。
TRMからは日本の職人の一人にインタヴューをさせて欲しいというリクエストがあり、日本のパン事情についての質問があった。
  
SPINNATOの職人に日本のパン作りを伝授



TRMの取材


to Mr.MARIO SPINNATO

作業は着々と進む中、ホイロの温度がうまく調整されていなかったり、時間が十分に取れなかったり等の悪条件が重なったが、それでもパン作りのプロとしての実力を発揮し、前述の日本のパンを焼き上げた。SPINNATOの職人にはなかなか好評で、特にさくらあんのあんぱんは声をあわせてBuono!!と言っていた。後で聞くと、「Faggioli(豆)をパンの中に入れるというのは初めてみたので、最初とても驚いた。ピンク色の中身(さくらあんのことだろう。)がとてもきれいだった。パレルモではその様な豆は手に入らないけれども、もしあれば作ってみたい。日本に行ったことが無いのに日本のパンを食べることが出来たのはとてもよかった。日本語は理解できなかったけれど(一緒に作業したのは)楽しかった。」と笑みをこぼしながら語ってくれた。
SPINNATO氏は特にメロンパンの生地と、カスタークリームに注目し、詳しい配合を聞くと共に、オーブンで焼き上げている間、もう一度作って欲しいとリクエストされた。

    

    

  
記念品と記念証をいただいた

また、今回は、日本から飾りパンを製作、パレルモに持ち込んだ。昨日、準備のためにSPINNATOにて組み立てた、「かぶと」、鯛・松竹梅を組み合わせ、「めでたい」をイメージした2種の飾りパンは、この日の朝、SPINNATOの店頭ショーケースに見事に展示されていた。「KABUTO」・「MEDETAI」という題名と、それぞれの意味をイタリア語で記したカードも用意され、SPINNATOの前は始めてみる日本文化を表した飾りパンに足をとめるパレルモの人々でいっぱいになった。中には以前日本に行ったことがあったり、日本の歴史を勉強したことがある、という人々が、これは、あれは、と少々内容のおかしい説明を始めその場を湧かしていた。飾りパンを通して日本の文化を表現し、土地の人々と交流を図ることの出来た貴重な体験となった。
飾りパン組み立てに職人も興味津々
  
イタリア人に大好評のクリームパン&あんぱん&さくらあんぱん
思わずパクリ!Buono!!


***シチリアパン***
□基本的な配合(SPINNATO)
 ○デュラム セモリナ粉…5kg
  種類によって大豆粉を配合する事もある。
 ○塩…70g
 ○イースト…250g
 ○水…2000g

作業する時の季節による気温、湿度に応じて、配合の量や生地温
などは微妙に変化させていく。
SPINNATOでは、数ある会社のデュラム セモリナ粉のなかでも一番
グレードの高い製品を使用しているとの事。(標準粉価格の約1.3倍)
□種類
 <Mafalda マファルダ>


 <Torecciata トレチアータ>

 <Scaletta スカレッタ>


 <Toscano Pizzato トスカーナ ピッツァート>

□価格
 パレルモの台所、ヴッチリア市場内のパン屋 Forneria B.Boraccorsoでは、直径40cmもある円盤状の
 Schiacciata(スキャッチャータ)がLit.2,500(当時レートLit.100=\6)で売られていた。

 その他、シチリアのパニーニとして、ヒヨコマメをつぶし、イタリアンパセリ、塩コショウをして薄く揚げた
 Panella(パネッラ)をはさんだものが特徴的であった。


SPINNATOのパン工房の脇には、シチリア菓子を作る作業場もあり、カッサータ、カンノーリといったシチリアを代表するDolce(お菓子)のほか、 復活祭のこの時期に特別に作られるマジパンを使ったデコレーション菓子も合わせて見学することが出来た。

日本のパン作りと、シチリアパン研修が終了し、SPINNATO氏の経営する近くのレストランにて昼食を取る。その後、Mr.SPINNATOより、今回の交流を記念する記念 証とパンを使ったブーケのプレゼントを頂き、こちらからは、飾りパンで表現した日本古来の伝統品「KABUTO」のかけ飾りをプレゼントし、交流会を終了した。 終始、笑顔を絶やさない明るい性格のSPINNATOの職人達とのパンを通しての良い時間となった。



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