◎ハンナ さんよりパン屋さんにプラスな情報(だって現場なんだもの⑪−生地にも向きがある②) 先週につづいて生地の向きの話。 乾いたタオルを半分にたたんだものを、手前から手でクルクル巻いてみましょう。 巻き終わったら、その向きのまま手のひらで、手前から向こうに生地を延ばす要領で転がします。 すると、手の中でタオルが徐々に固く締まって、最後にはまるで棒のように片手で持って立つぐらいになるはずです。 ところが、巻き終わったタオルの向きを180度変えて逆から転がすと、どんどんほどけてコシが抜けていく。 ソーセージに生地を巻くドーナツやコルネなど、細長く生地を延ばす成型の際、汎用ミニモルダー等がよく使われるようになってきました。実は、そのあとの「延ばし」の作業をする生地の中で、まさにこれと同じことが起きているのです。 向きをそろえて成型するクセを身につけるだけで、 ①成型のスピードが上がる。 ②製品の形がそろう。 ③メリハリのある豊かなカマ伸びをする。 ④ムダなガスが抜ける。 ⑤生地を傷めないから手粉をあまり必要としない。 ずいぶんメリットがあります。さっそく明日から。 パリジャン、バタール、バゲット。手成型のフランスパンだっておんなじです。 ベーカリー ハンナ 阿部成人(Narihito Abe) hanna@hw.tnc.ne.jp |