◎ハンナ さんよりパン屋さんにプラスな情報(だって現場なんだもん⑬−麺棒は凶器?) 麺棒で生地を延ばす仕事。 一日の業務の中にかなり頻繁にあるにもかかわらず、他の仕事に比べてずいぶんおざなりな教え方、伝えられ方がなされているように感じます。 麺棒をこなすポイントは、「生地を麺棒で延ばす」という安易な捉え方を改めることです。 そうだとしか思っていない人はついつい、手粉だらけにした生地を成型台に置き、両手で麺棒をゴリゴリ。 これが生地にとってはとても辛い! 余計なコシが付くばかりでなく、傷だらけで瀕死の状態。 なんとかそのまま焼いても、ふた周りはカマ伸びが悪いために製品のボリュームがない。赤っぽくまだらな色付き。 麺棒を持つ右手は一定の力加減、一定のリズム、一定のストロークでただひたすら転がすだけ。 あとの仕事はすべて、生地を持つ左手の役割なのでした。 生地を引く左手の加減で、生地の幅、延ばす長さが決まります。右手と麺棒はそれを定着させていくだけのことなのです。 一度やってみてください。こんなに早く、こんなにきれいに生地は延ばせるのかと、きっと驚くはずです。 実はまだまだ、生地を持つ指の数、指の使い方、生地を引く角度、生地を引くタイミングなどなどたくさんコツはありますが、このやり方の中で必然的に見つかっていくでしょう。 ベーカリー ハンナ 阿部成人(Narihito Abe) hanna@hw.tnc.ne.jp |