◎ハンナ さんよりパン屋さんにプラスな情報(vol.154) 「いつも見送っていただいて恐縮です。」 そう知り合いに言われました。 「いや、なにも特別なことはしてませんよ。」 今日の話は、僕がまだ小学6年の秋。10月もしくは11月の頃だったと思う。 毎月のように、その時々の年齢の僕が楽しめそうな本を数冊、届けてくれる祖父を玄関先で見送っています。 「おじいちゃん、ありがとね。バイバイ。」 引き戸を、ガラガラ、ピシャ。 その日に限ってなぜか、 「おいおい、ガラガラピシャッ、はないだろ。『見送る』ってのはな、「来てくれてありがとう。」って気持ちで、その人が見えなくなるまで見てるってことなんだぞ。 見送られる人になって考えれば分かる。挨拶をして別れたあと、何度振り向いても、何回振り返っても、ずっと見ていてくれる。 ずっと手を振っていてくれる。ずっとお辞儀してくれている。そうするとなんだか、うれしくてあたたかい気持ちになる。 そういうもんだ。おまえは長男だし、もう子供じゃない。そういうことも少しずつ覚えるといい。」 それ以来、無意識のうちについそうしています。 まるで昨日のことのように、そのなんでもないやりとりを憶えています。 本当は、「もう子供じゃない」と、初めて言われたことの方がショックだっただけのことなんだけど。 --------------------------------------- ベーカリー ハンナhanna@hw.tnc.ne.jp 店主 阿部成人(あべなりひと) http://ameblo.jp/panemon/ 地図URL 駿河こんがり堂本舗 http://www.kongarido.com/ |