◎ハンナ さんよりパン屋さんにプラスな情報(vol.156) ここ最近、お客さんや、みせを訪ねてくれる同業のパン屋さん、地元のマスコミのみなさんたちに、あんパンやクリームパンの色艶をよく誉めていただきます。 きわめてオーソドックスで地味なパンたちを評価していただけるのも、それはそれでうれしいものです。 「この仕上がりには、なにか特別な材料やとっておきの技があるんですか?」 「なにもありません。パンに一息つかせてやってるだけです。 「?」 プロの厨房には、レシピの工程には書かれていない工程のようなものがあったりするものです。 あんパンやクリームパンに限らず、色ツヤ、形を美しくするちょっとしたコツがかつては当たり前に存在していました。 久しく見かけなくなりつつありますが。それは、二次発酵の後半の取り方。 たとえば、うちのあんパン、クリームパンは同じ生地ですが、一般的な温度、湿度に設定されたホイロから、あんパンは8分(ぶ)〜9分で、クリームパンは6分〜7分で取り出し、残りの発酵は仕上台の上もしくはラックで過ごさせる。 高い温度や高い湿度の中であわただしく発酵をせかされたパンをそのままカマ入れすると、ツヤのないまだらな焼き色の、暴れるようなカマ伸びのパンになるのですよ。 ほかの作業をしながら見るともなく見ていると、生地の表面の水分を飛ばしながら緩やかに二次発酵を終えたパンが、「そろそろお願いします。」という顔をする。その瞬間さえ見逃さずに塗卵、カマ入れすることができれば、最高の艶姿を見せてくれるのです。 フロア、ベンチと続く流れからすると、「テーブルタイム」とでも呼べばいいのかな。 不揃いに悩む山型の食パンなども、カマ入れ前にひと息つかせてやるだけで、驚くほど美しく焼き上がります。ぜひ一度お試しを。 --------------------------------------- ベーカリー ハンナhanna@hw.tnc.ne.jp 店主 阿部成人(あべなりひと) http://ameblo.jp/panemon/ 地図URL 駿河こんがり堂本舗 http://www.kongarido.com/ |