◎ハンナ さんよりパン屋さんにプラスな情報(だって現場なんだもん25) ケーキ屋の友人と酒の席。カスタードクリームの話になりました。 「おまえんとこのクリームパン美味いよなあ。あれなんか入ってんの?」 「生クリーム入れてるわけでもないし、特別何も入れてないよ。」 「味にけっこうインパクトあるんだよなあ。」 「ちゃんと甘いってだけだよ。牛乳1本(1000cc)に砂糖300g。」 「さんびゃくう!???」 「あんたたちが、『甘さひかえめとってもヘルシー』なんてこと始めて、なんでも砂糖減らしちゃうまではみんなこれくらいだったんだよ。パン屋もいつのまにかずいぶん減らしてる。」 「でもおまえは減らさなかったと。」 「ああ。卵の生臭さや牛乳の乳臭さを抑えて、うまみを際だたせて、パンと一緒に口に入れるとちょうどいい甘さ。300って絶妙な量だとずっと思ってるから減らしてない。ちっともヘルシーじゃないかもしれないけど。うちはそれでいい。」 「バニラビーンズも使ってないんだろ?黒いつぶつぶなかったもんなあ。」 「バニラの香りは実じゃなくてサヤにあること知ってるヤツはあんなもの入れないよ。煮出すだけ。色も美観も損ねるし、口に残るし。実際、うちの3才の娘はアイスクリームのあれ見て、『ゴミ入ってる。』って言った。」 「でも入れたほうが本物っぽいじゃん。」 「本物は本物だから、本物っぽくなくてもいい。たしかに商売上、バニラビーンズ使ってることをアピールするには有効かもしれないけど、美味しくなるわけでもないからな。みんながするようになってきたから、そのうちバニラの実に見えるような物を混ぜちゃうヤツでてくるんじゃないの。」 「そんなもんかあ。うちのカスターもちょっといじってみるかな。」 昔ながらのカスタードクリーム、一度炊いてみませんか? 慣れれば15分ぐらいのもんです。 とっても美味しいクリームパンができますよ。デニッシュの美味しさも数ランク上がります。 この秋、売れるものはないか、目新しいものはないか、みんな必死です。 昔ながらのクリームパンに、「クリームパン・クラシック」とか「クリームパン・トラディショネル」なんて名前をつけてやれば、確実に売れて、定番にもなりそうな力のある新製品のできあがりです。 ベーカリー ハンナ 阿部成人(Narihito Abe) hanna@hw.tnc.ne.jp |