パン屋さんにプラスな情報が届きました。

◎ハンナ さんよりパン屋さんにプラスな情報(だって現場なんだもん27)

「食パンが売れなくて。」
という相談をよく受けます。
「砂糖を10%、塩を1.8%にして、水を1%減らしてみましょう。」
そうアドバイスしてよく売れるようになったパン屋さんがいくつもあります。
「砂糖が10%?そんなものは食パンじゃない。邪道だ。」
と即座に思われた方は、この先をお読みにならなくてもいい。
一般的な食パンの配合というのは、パン作りに用いられる主だった材料がとてもバランス良く使われています。しかし逆に言えば、個性の出にくい配合なのです。
どこも大差ない。それを教え、学び、身につける。みんなそうしてきました。当たり前だと思っている。でも、食パンはこういう配合でなければいけない、というのは作る側の理屈でしかないと思うのです。
同じような配合で、もしパンに差ができるとすれば、使う材料の質もしくは作り手の力量の差です。いい材料ならすぐにでも手には入りますがコストがかかります。店をたたんで仕事を覚え直す時間なんて誰にでもある訳じゃない。ほかに方法は?
ふつうの消費者にとって食パンってなんでしょう?
ほとんどの人にとって、あの形なだけだと思います。あとは美味しさ。美味しさという言葉の定義はとてもアバウトです。ただ経験上、ことパンに関して言えば、 甘みがある=味がある=美味しいと感じる人が多いのは確かです。使わない手はない。
既存の配合に縛られる必要はあんまりないんじゃないでしょうか。配合のバランスさえ著しく欠いてなければ問題はない。自分の力量でこなせる、自分が美味しいと思える配合で作ってしまうことも、それはそれでとても楽しい仕事だし、思いがけない結果が生まれることもあるのですよ。

ベーカリー ハンナ
阿部成人(Narihito Abe)
hanna@hw.tnc.ne.jp

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