◎ハンナ さんよりパン屋さんにプラスな情報(vol.40)−お年賀用シュトーレン? まだまだ日本では食べる習慣の少ないシュトーレン。 それでも根気よく毎年作り続ければ、徐々に浸透して、冬の定番商品にそだっていくだろうと、開店した年から並べ始めました。 なによりこちらの思惑がはずれて驚いたのは、試食にいい反応を示してくれたのが、パン食すらそれほど馴染みのなさそうなご年輩のご婦人たちだったことです。 考えてみれば、カルダモンの鼻に抜ける香りは、「ハッカ」と呼ばれたミントに通じるものがあるし、「ニッキ」と親しまれたシナモンは懐かしい味に違いないのです。 送り手が、珍しくて美味しいと思った贈り物が、もらった方も珍しくて美味しくて。 双方から「今度、お年賀や手土産にしたいから。」と、10個、20個と入り始めた予約が、ずいぶんまとまるようになりました。 「シュトーレンはクリスマス商品」などというこちらのつまらない先入観を吹き飛ばして、たくましく育っています。 というわけで、 うちの店では、クリスマスが過ぎると、シュトーレンたちは、若草色や桜色のリボンとおめでたいシールに装いを変えて、手から手へとどけられていきます。 ベーカリー ハンナ 阿部成人(Narihito Abe) hanna@hw.tnc.ne.jp |