◎ハンナ さんよりパン屋さんにプラスな情報(vol.48) 老若男女、さまざまなパン屋さんとのパン談義がとても好きです。 みなさんとても熱くて。 最近、そんな話の中で、「保水性」という言葉の誤解を感じることがよくあります。 一定の量以上の砂糖、卵、油脂の使用は、パンの「保水性」を高め、パンの老化を遅らせる。 どんな本にも必ず書かれていて、パン屋なら誰もが知っている常識です。 でも、保水性が高い=パンが乾燥しにくい、というのが本来の意味であって、パンの中に、水が水のまま残っているほどパンの老化が防げるという事ではありません。 評価を求めて持ち込まれるパンの「焼きの甘さ」を指摘すると、「水を残すためにこれ以上は焼かないことにしています。」 そういう答えがとても多いのです。 中心まできっちり火の通っていない、焼きの甘いパンの老化は驚くほど早いものです。自分たちで食べてみれば一目瞭然です。 良く焼けたパンはといえば、冷凍などしなくても、10日以上経った物ですらとても美味しく食べられます。 自分の焼くパンをすべて切ってみましょう。内相が同心円状に、途中で色の違いを呈していればそれは焼成不足です。カマ入れのタイミング、焼成温度、焼成時間をもう一度確認しましょう。見直す必要のあるものもきっと出てくるでしょう。 天ぷらやフライの衣の中が生焼けでもあなたは平気で食べられますか? 同じ事だと思っています。 ベーカリー ハンナ 阿部成人(Narihito Abe) hanna@hw.tnc.ne.jp |