「ユニバーサルベーキングカップ」にアメリカの「障害を乗り越えてパンを焼く」ミンジ・ポインターさんのメッセージ
『B&C』9−10月号69ページに掲載の「障害を乗り越えてパンを焼く」のミンジ・ポインターさんのメッセージを野辺久美子さんが翻訳して送ってくださいました。

 日本の皆さん、初めまして。私は車椅子の必要な身体障害者ですが、パンを焼いているアメリカ人女性です。また“ベーカーズ・オン・ウィールズ(「車椅子に乗ったパン職人」の意)”という非営利団体を主宰しています。
“ベーカーズ・オン・ウィールズ”を設立した大きな目的のひとつは、身体障害者の人たちにパンの焼き方を教えてあげることです。アメリカでは、何の職業についているかがその人を価値判断する大きな要素となります。もし尊敬できるような仕事をしていれば、その人は尊敬できる人とみなされると言っても過言ではありません。

 その一方で、身体障害者は働くことができないと思われがちです。「身体に障害があるから、何の職業にもつくことができない」という考え方は身体障害者の心を深く傷つけます。なぜなら、「何もできない無能な人間」と言われているような気がするからです。だからこそ、私は仕事として美味しいパンを焼くことによって、「歩くことはできないけれど、美味しいパンを焼くという、こんなに素晴らしいことができる。パン職人として、また一人の人間として、尊敬される価値のある人間なんだ」ということを証明したいのです。

 日本に、身体障害者の方々のためにいろいろなことをなさっている櫛沢電気製作所さんのような会社があることを知って、本当に素晴らしいと感激しました。特に身体障害者を対象にしたパンのコンテストは、多くの身体障害者の励みになるものだと思います。アメリカの企業にも、日本にこうした身体障害者のための活動をしている会社があることを知ってほしいものです。

これを読んでくださっている皆さんの中で、もし私のことに興味を持ってくださった方がいらしたら、どうぞ私のウエブサイト、http://www.bakersonwheels.com(英語のみ)をご覧になってください。またご質問、ご意見などを、私のEメール・アドレス minge@bakersonwheels.comまで、お送りくだされば幸いです。

 最後に、私のコメントをウェブサイトに載せてくださった櫛沢電気製作所さん、私のことを記事にして、そのきっかけをつくってくださった製パン業界誌『B&C』の編集長、本行恵子さん、そして、わざわざ私の住むアラバマ州まで来て、記事を書いてくださったニューヨーク在住の野辺久美子さんに、深く感謝いたします。

ミンジ・ポインター

Minge Pointer
Bakers on Wheels
1093 Windsor Parkway
Moody, AL 35004
Tel:205- 640-4059
Email to: minge@bakersonwheels.com

トップ