増田先生・飯塚さんから「ブーランジェリーK」横山さんの開店にあたり熱きメッセージ

「人に教え、学ぶことに勝る学習はない」
米経営学者ピーター・ドラッカー(94)さんは人間関係が知識や意欲を伝える最高の媒介を説く
(日経新聞 04年5月26日 働くということ)

横山さんの開店に当たり(2004年5月3日)
6月1日のベーカリー開店までに至るまでの8ヶ月間の永きに渡り慎重にそして細部に至るまでよき協力者との話し合いの結果漸やく店開きとなり、本当に夢が実現できておめでとうございます。
これからも親友、知人達が後々の先まで日本のモデルベーカリーとして生き抜いて頂くことを頼んでおりますと同時にパンに対する情熱は何時までも続けて下さい。

〔1〕横山さんの人柄は人格者である
人間の基本はまず挨拶から始まるといわれていますが、礼儀正しく、他人とお付き合いした時、お世話になった時、反対にお世話した場合など常に親切に人と接し、決して威張らず、相手が困っておればすぐ手を差し伸べて手伝いに入り、友人の疲労を助け、売上に貢献し、人手不足の開店後日のオーナーの寝不足を補って健康を助けてあげたり、種々雑多の相談にのってなぜ生産性が上がらないか、なぜ利益が出ないのか、どこに因があるのか、一緒になって悩み、解決してあげる良き師であります。
昨今では珍しいやさしい心が姿に出ており身体に備え持った方で横山さんが動けば清風が起こるタイプである。若者にとってはまさに良き師であり、人格者でもあり、日頃の行動・表現についても決して他人を傷つける失礼な言葉の暴力は私は聞いたことはない。これも若い頃より鍛えられた格闘技の基本からの教訓でしょうか…、また弱き者を助け、強き者を砕く心だろうか。
礼儀正しい横山さんは仕事での〔報告・連絡・相談〕はきっちりこなして、今日たくさんの人達、同業者、納入業者、メーカーからも慕われている。この豊かな感性は両親から授けられた良き遺伝子だと思っております。
それぞれ人には歴史があり10代、20代、30代と修行(技術と人間性を磨くため)を積み重ね、経験と体験(苦行)の末に今日の横山さんと云う一個の人間がこの?で評価されておられるものと思います。
この間、家庭を持ち奥さん、お子さん達の協力があり、また教えられたことも多々あったからこそ豊かな変い(心の指数を育む)事ができたのではないでしょうか。人は幾ら強がっていても一人では生きていけない(字の如く1本の棒で支えられた人と書く)たくさんの友人や師がおったから支えられ何とか間違いない暮らしができ、楽しさと厳しさを持ち生きられるのです。他人には「気配り、目配り、心配り」を行いたいものです。唯の凡人は自分の力で成功したと過信しうぬぼれで先輩や師が邪魔になり近くにいるだけでも目障りの称です。その姿をみて賢い友人は見抜き、距離をおくか黙って去って行く。その本人は見抜かれていることに気付かないのです。横山さんを見ていると私も羨ましい位平常心を持ちつづけ、若者が黙って集まってくるリーダーの魅力を肌で感じるタイプです。それが良き人脈を作り、強いチームが出来るのです。軽い友人は人脈ではなく、唯紹介されたか名刺交換した位で如何にも親しいような素振りをする民族が増えているので注意しなければ人生騙される場合があります。或いは利用されることが多い。本当の人脈とは一生の間どれだけその人との心と心の付き合いがあったか、その深さで決まるが必ず誰かの紹介者があるわけでその人を大事にすることが強い人脈となるのですが、大体外されていくのが今日本人ではないでしょうか。日本も60年も永い平和が続いており、危機意識の薄い民族となり、自由と我慢が一緒だと勘違いして生きており、昔の日本人の良き文化は消え去り、お世話になっても感謝もなく、当然「義理と人情」もどこかへ消えてしまったのではないかと疑いたくなる昨今である。
しかし1000分の1位はまだ若者の中にいることが何よりだと思う。現在のリーダーの素質と云うものを横山さんは備えており、IQ(偏差値知能指数)が25%でEQ(冷静さと温かさの心の指数)が75%が理想だと云われており、このようなタイプの持ち主で感性豊かで(感謝、感激、感動のある人)知恵や発想力も変く開発力も充分備わっており、プロ(職人)としての器もあり、差別なく派閥も作らず、人を動かす職人(プロ)でもあります。
このような師と仰ぐ先輩のベーカリーで働きたいと云う若者達はまず技術を早く学びたいと入門されると思うが、まずどのような経営哲学、理念を持って運営しているのか、その人の哲学と人間性を学び次に技術と販売の心を会得してそれから数年後に独立すれば必ず商いは成功するでしょう。その時は自分はこうやるんだと云う理念は充分抱いておかねばならない。
当然商売を行う場合は適地適作と同様に立地という環境も大事で店舗(劇場と同様)のつくり、接客もまた大きな要素で当然心こもったおいしいパンでなければなりません。商売は環境(経営が良いか悪いか)で栄えて環境で滅びると昔から言われております。(お客は明るいムードか、暗いかで決まる)

〔2〕横山さんは時代に合ったパンとその加工(サンド)の発想力の持ち主だ
今のパンの技術は仕込みから整形そして焼き上げまで出来れば一応技術を修得し一人前だと本人は過信するが、評価するのは他人である。
ここでコッペ天狗になって技術と人間性が問われて脱落し挫折して行く者も多い(この世の中試し試されて評価され他人の力を利用するだけの人は外れていく心のない人だ)
今出来上がったパンをどのように加工したらお客に喜ばれるか、飽きられないか。御客は何を求めているのか、私達は常に「お客の立場」にならなければ物は売れない。以前のように作る側の好みでは押し売りであり、お客はソッポを向く。戦後の配給パンの物不足の時代とは全く大きく変わり、物余りのすぐ飽きる時代なのである。横山さんは若い20代には西洋料理の修業を行い、次にベーカリーに入りパン作りを学び、次にデリカを学び、ハム・ソーセージ・ベーコンなどの製造・加工まで身に付けて開発部長(取)を経て今回の独立開店に至る。非常に強い能力をセンスを持っておりますので、これからその力を商いに発揮されていくものと思う。先見性を持った若者達が横山さんの門をくぐりたいと云う人達が増えてくると私は推測しております。
また手作りベーカリーの特徴とも云える自家製酵母、無農薬に近い食品の材料を選び、無添加のパンも(乳化剤、VC、イーストフードなど)常にお客本位の健康パン(繊維質を多く含んだパン、サワー種)などを基本としたベーカリー経営を行い、お客と従業員が喜んで頂けるベーカリーを目指し、若い従業員が将来の夢を抱いてもらい一人でも多く熱き心を持った技術者と経営者が育ってくれるような良き社内の肥えた土壌作りをまず作り、地域住民の支持を得ながら厳しい管理と経営を行い、お客様から給料を頂く心で全員が細かな責任を持って、明るく清潔な職場で働く環境作りに努めてもらいたいと祈念申し上げます。目標は日本一の手作りベーカリーを目指してほしい。

〔3〕私からの贈る言葉
1)仕事はお金だけではなくアメリカの真似をしている(部下が育たない、冷たい職場となる)成果主義でもなく、もう一度戦後の日本経済を復興させた労使関係の共同体精神で(心と魂と規律とユーモア)の企業文化にしてほしい。一部実力主義が望ましい。
2)感性と従業員
 イ)美しいものを見て、美しい音を聴き、美しいものに触れ合うことは感性を高め時にはストレス解消にもなる
 ロ)好きな仕事(パン作りに一生情熱を燃やすことが天職だ)を選んだ以上、義務を果たしてから権利を主張できるがその逆な人はいらない
 ハ)仕事と云うものは上司から云われたことだけやる者は作業である。出来る人は必ずプラスアルファまで行う
 二)口下手(今営業マンも口下手で内気な人が信用されると言う本も出ている〔おしゃべり営業は嫌われる〕)でも結構だ。何を考えて仕事に望んでいるか?私はこうやりたい、こうしたいと自分の考えを発言せよ。昔は捨てる神と救う神がおりバランスが取れていたが今は上司は上位にいくことしかない小物ばかり
 ホ)時にはゴマすりも良いが年中お世辞では企業の利益につながらず、大企業病、役人病にならぬ称オーナーは注意せよ。年月が経ち(伝統)大きく組織化すると必ず役人病が生まれる
 ヘ)若い学生生活なら左脳大学(暗記力、偏差値の知能指数)社会に出て稼ぐ立場なら右脳大学(心の指数、たくさんの(感性)の生き方、知恵など一生勉強だ。社会大学だ)
3)運とは…
 イ)努力の先にあってそれを手にすることが出来るのは汗を流し努力をした人だけある。しかし、その仕事の良い結果を盗む泥棒上司(反面教師)が年々増えている(大企業や古い会社や公務員に多く部下が育つわけがない)ナマケ者は人をひがんだり、妬んだりするな
 ロ)人生楽な道なら誰でも歩ける。デコボコ道、坂道を歩いて他人の有り難さがわかり、そして自分の強さを磨くことが出来る。
 ハ)やりたい事とやれる事は大きく違うもだ。即実行だ。
 二)人は何時も感謝しているから運がいいのだ。志のない人は道が開かない。
 ホ)家族、皆が両親から頂いた健康な身体と強い精神力を持っているから明るく働けるのです。
4)職人魂とは(プロ)…
物作りにこだわり(好奇心と執念)時を忘れてのめり込む。その気概が職人魂であり、人間の五感を使い繊細で斬新な製品を生み出す。そこからたくさんの創造性と工夫が生まれうものだ。全商品は私達ですと1ヶ1ヶに責任を持つこと。それが職人魂だ。
5)プロになるためには…
良い仕事、良い結果を生むためには常に厳しい準備を重ねていなくてはならない。己に負けない強い精神力を身につけなくてはいけない。しかし人間は何時も気が張り詰めていては神経が持たず、ウツになってしまう。時には大いに遊び(酒、スポーツ、趣味など)発散していかないと健康は保てず生きてはいけない。
言葉は悪いが、マジメな一面と時には開き直りとズボラの一面もないと良い仕事は出来ない。遊んでいる時に意外と閃きがわく場合がある。冷たい公務員のような上司ではなく明るく、楽しく、他人の面倒を見られる余裕のある(巾のある)人間を目指し、己には厳しくする事だ。部下には何時も元気が出るプラス言葉を口癖のように発信させるリーダーが企業を発展させる。
6)よき人脈とは…
 イ)業界や異業種など一流と思う人に接近して学ぶこと。必ず福の神がやって来る。
 ロ)なぜその人が一流か?よく分析してそれを糧にせよ。
 ハ)心の一部に利用してやれとか、汚れた野心があれば必ず何時かは見破られ、良き師の激鱗に触れる
 二)一流といわれる師から何を学ぶか、それが必ず仕事に生きる事は歴史が教えている
 ホ)ポンパドゥル三藤会長(創業者)はあの人は学があると若い頃聞かされた。一流大学卒でもこの社会に出て、どれだけ人生の勉強をして、人の清らかな心があるか、又教養のある人格者か、社会に出てからの学があるか、ないのかと云う事を私は一生忘れず、今日常に反省しております。長々と纏まりのない人生論も併せ記してまいりましたが横山さんというベーカリー業界では一流の人を更に部下やメーカー、問屋、友人達で盛り上げてもっともっと巾の広い師匠になってもらう事を祈念して私の終わりの挨拶と致します。

①前日本パン技術研究所 講師(35年間担当)
②ワールドフーズ21の会 会長(全国のベーカリー技術集団)
③ベッカーマイスター協会 主任講師(15年間)
④食パンとバラエティーブレッド専門書 昭和52年執筆(ベーカータイム)
  菓子パンとスイートグッズ  専門書 昭和56年執筆(ベーカータイム)
増田 信司(千葉県君津市山本出身)

考え方が変わると、行動が変わる。

行動が変わると、習慣が変わる。

習慣が変わると、人格が変わる。

人格が変わると、人生が変わる。

さぁ、今日も一日、元気に頑張ろう。

○○パン店代表の横山さんはパンの商品づくりは、安全、安心、健康がキーワードという。
日本のパンコンテストで何回も入賞するのは、抜群のアイデアとセンスだと思う。それは横山さんが元料理人(コック)だからと思います。
横山さんは商品に使われる原材料にも安全、安心、健康に注意しながら吟味した材料で素材本来の味を出し、作るのが大変うまい人です。
これからの消費者のパンに対する要求は味の善し悪しだけでなく、安全、安心、健康を求める時代ですから。
横山さんは大変人柄の良い方です。お客様、従業員を大変大事にする人です。また、横山さんはお世話になった人に対して恩を忘れない。恩人を絶対忘れない人です。
心よりパンを作る横山さんに協力させていただきます。頑張って下さい!!
Y.Iizuka代表 飯塚 良雄

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